概要
外に出れない,対面で接客や販売ができない……180度転換した商売の条件をクリアするための売り方とは?
小売業,サービス業,ホテル宿泊業,飲食業,工務店,美容室,ネット通販,営業などさまざまなビジネスで役立つ巣ごもり消費時代の売り方を,大企業/中小企業,リアル店舗/ネットビジネスを問わず販促戦略の立案・アドバイスに定評ある人気経営コンサルタントが徹底解説。
- 巣ごもり消費に対応するための戦略
- ネットに不慣れな人でもすぐに実践できるネットの活用法
- 巣ごもり消費のお客様に響くチラシやDM,ホームページなどの販促物のつくりかた
など,見よう見まねでもすぐに売上につながる販促手法を集大成。業種別の攻略ヒントも事細かに解説しています。
逆風の中でもお客様を味方につけていくための考え方とテクニックがわかる希望の書。
【特別付録】巣ごもり消費に効く100の販促ワザ
こんな方におすすめ
- 経営者,店舗運営者
- 逆境の中でもビジネスチャンスをつくりたい方
著者から一言
「これは無理だ――」
経営コンサルタントという仕事に就きながら,私の本音は絶望しかなかった。
新型コロナウイルスが蔓延したことで,消費者は外出を控え,人同士の接触が制限された。この状況下で「商品を買ってください」というのは,もはや回答のないクイズをやらされているようなものである。
企業の業績が悪化し,消費マインドは最悪。収入が激減したことで,財布の紐は今まで以上にきつく縛られた。消費者にはモノやサービスを買う精神的な余裕がほとんどなくなった。こうなると,自分の積み重ねてきたノウハウがいかに無力なものか思い知らされてしまう。感染病ひとつで,企業の販促戦略はあっという間に崩壊した。営業ノウハウも,チームビルディングも,POPも,新聞の折り込みチラシも,今の巣ごもりの時代には役に立たないものになってしまったのである。今まで構築してきたノウハウは,経済が健全に回って,人々が正常な日常生活を送るからこそ成り立っているものだと,あらためて思い知らされた。
しかし,ここで立ち止まるわけにはいかない。感染リスクを避けて,無駄な消費をせずに自宅で過ごす「巣ごもりの消費者」に対して,無理やりでも商品やサービスを買ってもらわなければ生き残ることができない。新型コロナウイルスが長期化した場合,巣ごもりを続ける消費者の経済活動がスタンダードになる可能性もある。「お客様と直接会ってお金をもらう」という従来の商習慣を根底から見直して,非対面でありながらも,お客様に喜んでもらえるビジネスを構築していかなくてはいけない。
突破口は必ずある。経済活動は停滞しているが,すべてのビジネスが止まったわけではない。マスクやアルコール消毒液の衛生品は好調に売れているし,ネット通販やリモートワーク関連の事業は活況だ。消費者は巣ごもり状態になっているが,不満やストレス,悩みごとはかつてないほど大きなものになっている。そこの消費にレバレッジを掛ければ,売上を回復させるチャンスは必ずある。あきらめてはいけない。ネットの活用と,感染を最大限に防ぐ集客戦略を展開すれば,私たちはしぶとく商売を続けることができるはずだ。
私は経営コンサルタントとして,今まで実店舗のマーケティングと,ネットマーケティングの両方のノウハウを構築してきた。そのため,感染率が高いといわれる実店舗に対して非対面のネット戦略を組み立てることができるし,ネット戦略をどのように組みたてれば完全非対面のビジネスを成立させることができるのか理解している。また,日経MJのコラム執筆者として約400社の中小企業,小売店の現場を回り,「売れる法則」を取材してきた。ほかの経営コンサルタントよりも,現場に沿ったマーケティングや販促テクニックの引き出しは多いという自負もある。
今回,それらの知識とノウハウをすべて吐き出して本書を書かせてもらった。巣ごもり消費の特徴や攻略法を解説し,今,売り手側が何をしなくてはいけないのかを理解してもらえる内容にまとめた。ネットに不慣れな人でもすぐに実践できる非対面のSNS活用法や,巣ごもり商品のお客様に響くチラシやDM,ホームページの作成事例などを,図解つきで解説する。見よう見まねでもすぐに売上につながる販促手法を紹介している。業種別に,巣ごもり消費の攻略法も事細かに書かせてもらった。できるだけ多くの商売でヒントになる“ネタ”を書かせてもらったので,ぜひ,参考にしてもらいたい。
本書が少しでも多くの商売人,ビジネスマンの救いの1冊になることを切に願う。