セキュリティキャンプ2007参加者募集中 ~セキュリティキャンプの変遷と「オフィシャルレポートで語られない?」中身~

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セキュリティキャンプ2007 ~受講内容コース制&自由選択制ハイブリッドの年

参加者30人(予定⁠⁠,講師14人,チュータ10人程度,5日間開催。

実施予定の内容は,セキュリティキャンプのトップページから見ることが可能です。

これはまさに現在募集されているものであり(2007年7月2日締切⁠⁠,内容は「2005年度と2006年度をかけあわせたようなもの」という感じです。とはいえ,最新のトピックについても扱います(予定です)し,はずしちゃいけないところは当然扱います。

キャンプで教えることは技術だけじゃない~マインドやコラボレーションも

マインドやコラボレーションも,と書きましたが,それらは(本来は)技術よりも優先して教えられる性質のものです。

マインドは明示的な講義枠としては,サイバー大学準教授の園田道夫さんによるお話や法曹関係者によるお話を通じて(そして,それ以外でもすべての講義中で,各講師の豊富な経験に基づいた視点を通じて)参加者に手渡され,コラボレーションは,参加者同士による5日間の間のグループワークと最終日の成果発表会という形で,同年代で,かつ,ITとセキュリティに非常に興味を持ち,共通の話題が通じる「なかま」との共同作業の中で学びます。

参加者の傾向~元気がよい参加者から優等生な参加者までさまざま

これまで行われた3回のセキュリティキャンプの参加者にも,いろんなタイプの人がいます。接した範囲で共通するのは

  • 好奇心が旺盛

という点ですが,それ以外の点は十人十色というところでしょう。

行動力がすさまじい子,思考や発想の観点が面白い子,集団のリードがうまい子,それこそいろんな子が参加しています。

単なる「学校の成績」という枠では量りきれない,さまざまな力を備えた子たちが一つどころに集まり,たった数日間の間にみるみる成長しているのが見えたり,日常生活でなかなか得られない人間関係を醸成していくさまは,見てて面白く,同時に頼もしく思えます。

伸びる人の傾向~そういう場をうまく活用できる子が伸びる

参加者は,それぞれに何らかの目的があって応募し,参加していると思います。

ただ,単にその場にいるだけで技が身につくなんて甘いことはありません。もちろん,これまでの参加者な方々は,そこでしか受けられない講義(いや,ホントにそうなってます(苦笑⁠⁠)を受けて,手を動かして,自分なりの理解を深めてます。しかし,さらにその中でも伸びていく子というのもいます。例えば「講師をうまく捕まえられるw」子がそれにあたります。

もちろん講師も人間ですから,さまざまな興味や得意分野を持っています。そして,講師の話の中から「自分が面白そうと思うこと」をつかまえ,さらにそれを知っている講師の首根っこまで押さえるくらいの勢いで自身をアピールしていくくらいの勢いがある子が,いい感じで伸びてます。

こんなことを言うのも口はばったいのですが,その場に集まってる講師の面々は,⁠ほぼ全員が)得意かつ特異な部分を持っています。そして,そういう場に集まるのは,おそらくセキュリティキャンプの時くらいしかないでしょう(個人的にあらゆる寄り合いに出てますが,現在のセキュリティキャンプの講師が一同に会する機会は,今となってはキャンプ当日くらいしかありません⁠⁠。⁠誰が来るのか」⁠何を教われるのか」という観点とともに「自分は何を知りたいか」というのを持っている子が,⁠こういうのも何ですが)得をする,ともいえます。

参加した後はみんなどうしてる? ~その後の参加者たち

楽しい時間はあっとゆーま,ということで,終わった後はそれぞれの家に帰る,というところです。が,ホントの修行はそれから。

そこを理解している子たちが多いのかわかりませんが,参加者相互のやりとりや,参加者と講師の間のやりとりが続くということもままあります。特に「参加者が住んでいるところや所属する学校/大学/団体」では同じ種類の人がいないこともままあるようで,当日の空き時間(食事時間とか)や,全てが終わった後に,連絡先を相互に交換したりしてます。

そういう私も,それなりの頻度でやりとりを行ってたりします。メール,SNS,メッセンジャー,電話,etc...あらゆるチャネルで相互に連絡を取ったりします。もちろん,セキュリティに限らずIT技術,それ以外(趣味の話⁠⁠,ネタは尽きません。

セキュリティキャンプに参加した後のセキュリティキャンプ参加 ~チューターとして

「セキュリティキャンプに参加したけど,その後も参加したい」という声はあります。が,単に参加者として参加するだけだと面白くありません。ということで,セキュリティキャンプ2005のところでも触れましたが,現在はチューター制度を運用しています。対象は「前年度までにセキュリティキャンプに参加した人」ですが,あくまで人材発掘・育成を主たる目的としているため,若干の助っ人的要員もチューターとして参加していただいてます。

キャンプという限られた場だけで一方的に教えるだけだと,どうしても「やりっぱなし」という感がありますが,継続的に訓練/修行/教育というあたりの話を実施していく(これは別に,キャンプの講師が必ず携わるというわけではないですが)というところになります。

ただ,チューターとして参加するにも(現在は)ちょっとした試練があります。

2006年から始めたことに,⁠自分がそれまで何をやってきたか」というのを(なんとその年の参加者の前で)発表する,というイベントがあります(前述の「成果報告」というやつです⁠⁠。要は「なんか参加できたらラッキー」という感覚で応募してくる人ではなく,⁠自分がこれだけ成長できたんだから,それを今回の参加者にも伝えたい」という意思がある人にチューターとして参加してもらう,という感じです。

さて,自分は参加できるのか? ~そんなのは誰にもわからない~

これまでいい面も悪い面(?)も含めてあれこれ書いてきましたが,自分から得ようと能動的に動ける人であれば,⁠方向性が合っていれば)参加できるような気はします。が,保証はしません(苦笑⁠⁠。

ただ,条件に合致して,⁠応募しようかするまいか」と悩んでいるのは,はっきり言ってしまうと「損」ともいえます。悩むということは「参加したい」という意思がどこかにあるんだろうと私なんかは思いますし,応募したところで必ず通るとは限りません(苦笑⁠⁠。

悩むくらいならば応募してみて,通ってから悩めというのが,⁠より」建設的かと私なんかは思います。もちろん,人それぞれの事情があるので,私の考えが必ずしも正しいとはいえません。しかし「参加したいという希望」が自分にあるのであれば,正直なところ応募してみてもバチはあたらないと思います。

応募期限は2007年7月2日ですが,まずはトライしてみて「通った」という通知が来た後に悩むというのもまたいいかと思います。

これを読んで応募を決めた人がどのくらいいるか?てのはわかりませんが,悩んでいる人の背中を押したくらいの効果があればいいですかね(笑⁠⁠。

著者プロフィール

宮本久仁男(みやもとくにお)

某SIerに勤務してます。技術分野で語るならば,最近は仮想マシンとかあれこれやってますが,別に仮想マシンに限らずVPNとかも前からやってますし,要は「Virtual~」って好きなんですね(笑)。でも,Virtual~だけじゃなくって,Realも好きですし,ネットワークも大好きです。自分で思考を巡らしたり検証したり,というのが好き。もちろん他の人に迷惑はかけない範囲で,ですが。

URLhttp://d.hatena.ne.jp/wakatono/

著書