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テレロジック社Software Modeling部門責任者に聞く,世界から見た日本の組込み市場の分析と今後の展望

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6月末に開催されたESECに合わせて来日していた,Telelogic AB社(以下,テレロジック)のThomas Konrad氏,Patrick Regester氏に組込み分野でも存在感を増すテレロジック社の今後について伺った。

同社はソフトウェア開発のための支援ツールやシステムデザインソフト(代表的な製品に,TAU,SYSTEMS ARCHITECT,DOORSなど)を手がける世界大手で,モデル駆動型開発ツールで特に強みを持つ。2006年3月にはI-Logix社(以下,アイロジックス)を買収したことにより,同社の得意分野であった組込みシステム開発ツールでも市場を先導する立場に立った。世界的に展開するなかで,日本市場をどのように見られているのか。

世界的な視野から見た日本市場についてお聞かせください。
世界的に見ると,組込みでは軍事・航空産業のウェイトが無視できないのですが,日本ではそのどちらもほとんどありません。しかし,OAや通信機器,CEといった分野では,モデル駆動型開発でも世界をリードしています。
開発環境に絞っていうと,日本市場は非常に保守的です。ただ,モデル駆動開発の成功事例が増えてきていることで,最近ではトップダウン式に「UMLを使え」ということもあるようです。もちろん,その背景として中国や韓国といった国々の追い上げからくるプレッシャーがあることも無視できないでしょう。
モデル駆動型開発への移行というのは比較的最近の傾向だと思いますが?
ここ2年ほどで急速に普及しつつあります。日本におきましても,旧アイロジックスはRhapsodyを中心に300%の成長を記録しています。Rhapsodyを発売した当初は,まだ自動コード生成自体がめずらしく,開発者に受け入れてもらうのに苦労しました。
最新のRhapsody(バージョン6.2)ではEclipse対応が進んでいます。
実は顧客からも「どうやってEclipseにつなぐんだ?」といった要望が多く寄せされていますので,今後もより積極的にEclipse対応を進めていく予定です。
旧テレロジックとアイロジックスでは,競合関係にある製品もあったかと思うのですが。
特に組込み製品などは,10年単位で使用/生産されるものが数多くあります。そういった顧客の要望やニーズは決して無視できません。そのような理由もあって,弊社では製品を統廃合するよりも各製品についてサポートを継続していく方針です。
日本テレロジック
URLhttp://www.telelogic.co.jp/