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LEGO Mindstormsによる新人研修の実際

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本誌一般記事「LEGOではじめる エンジニア研修事情」で登場した「LEGO Mindstorms」を実際に活用する新人研修の模様と受講者の実直な感想を紹介する。

組込みシステム開発のトータルサポートを行う⁠株⁠日立アドバンストデジタル(以下,日立AD)の新人研修の期間は,実際の部署に配属されるまでの2ヶ月間。研修カリキュラムの最終週に⁠株⁠アフレルが提供する「組込みシステム開発体験コース UML-C(5日間⁠⁠」を活用している。

研修内容
具体的な研修内容は,自律車両型ロボットを利用した「自動搬送システム」の開発を行うもので,分析から設計,実装,テストという実際のソフトウェア開発プロジェクトの全工程を体感実習していく。センサやモータ,通信デバイスのコントロール,マルチスレッド,割り込み処理といった組込みソフトウェアによる計測・制御も行えるとのこと。実際には図のようなコースを走行させる。
ソフト技術者以外の受講者も
新人受講者の配属先はすでに決まっており,ソフトウェア技術者以外にもいわゆるメカ技術者さんや回路技術者さんもいるが,全員が同じ内容で受講するとのこと。この点について,日立AD 総務部 教育グループの渡邊義和氏は,⁠これからメカや回路を専門にするとしても,ソフトウェア開発がわかる技術者になってほしいと考えています。逆にソフト開発する人も実際に組み込んだ機器が動作する喜びを味わってもらいたので,本研修は有用だと思います」と言う。

走行のコース

走行のコース

受講者の声

では,実際に研修を受けている人たちはどうなのか?

ソフト技術者: 惣島 麻未さん

Q:本カリキュラムはいかがでしたか?
A:やっぱり自分が作ったプログラムで,実際にモノが動くのでおもしろいですね!
Q:本カリキュラムでもっとも得たものは?
A:C言語によるオブジェクト指向や,要求分析するところもありましたが,実際の開発現場って厳しいんだなぁって実感できたところです。

回路技術者: 竹田 準也さん

Q:プログラム経験は?
A:学生時代から回路系でしたので,C言語やUMLはゼロからの挑戦でした。
Q:では,難しかったのでは?
A:なかなか思うように動かなくてツラかったですが,2人1組で作っていくので,いろいろと相談しながら楽しくできました。
Q:配属後は回路エンジニアですが,Cのプログラミング実習はいかがでしたか?
A:専門バカと言われないように,いろんなことを学ぶのは必要だと思います。
Q:仕事以外でもLEGOをやってみたい?
A:今回のような自律車両型ロボット以外にも2足歩行型ロボットがあるみたいなので,そちらを挑戦してみたいと思いました。

実際のコーディングやテスト,試験走行などはあらかじめ時間が区切られている。各自が課題に取り組んでいる最中に,今回のメイン講師を務めたアフレル 認定講師 森孝夫氏は,受講生の席を回りながら「プログラミングだけするのは楽しいけど,時間つまり納期を区切られると緊張するでしょう。これが,実際のシステム開発なんですよ!」と語りかける。

そして,最後に全員の前で発表を行う際にも実際の客先でプレゼンする場面が想定され,発表内容もさることながら,話し方,声の大きさ,発表時間についてもアドバイスするところが,本研修を有意義なものにしているのだろう。