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異種データベース間でのデータ連携を容易に実現するDataCoordinator Webアプリケーション業務のデータ連携基盤構築に最適

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より複雑なデータ加工を実施したい,転送データを独自ロジックで暗号化したい,といった要望もあるかと思います。その場合は,Java言語で作成したアプリケーションプログラムと連携できます図7⁠。データクレンジングなどを実施する場合に有効です。

図7 ユーザアプリケーションとの連携

図7 ユーザアプリケーションとの連携

その他の機能

転送元の表と転送先の表がそれぞれ1つの場合(分配機能を使用しない場合)は,該当データを転送元から転送先のサーバに直接転送します。つまりデータ連携を管理しているDataCoordinatorサーバに必ずデータが通るのではなく,最小の通信コストとなるようデータ転送を行います。また,一括配信の場合には,転送先データベースのローダ機能が利用でき,高速なデータ格納が可能です(ローダ機能を保持したデータベースの場合⁠⁠。

運用については,⁠Manager」と呼ばれるGUIツールを使用して,スケジュール管理や実行状況などの把握を容易に行うことができます。また,スケジュールの実行や停止,イベントログやsyslogへのログ出力機能もあるため,運用管理ツールとの連携も可能です。

DataCoordinatorの適用場面

ここまで,Webアプリケーション業務を作成するうえでの,データ連携基盤を構築する製品としてDataCoordinatorを紹介しましたが,そのほかにも以下のような場面で活用できます。

データ統合

企業内には今日までの部分的な業務最適化により社内に複数の異なるデータベースが存在していることが珍しくありません。これらのデータベースを利用した新規業務(上述のWebアプリケーションによる参照系業務)を構築する場合,当然複数の異なるデータベースサーバにアクセスする必要が出てきます。このような場合,必要なデータだけを1つの情報系データベースに集約してしまったほうが,Webアプリケーション作成の上でも,検索業務による既存業務への影響に対しても有効といえます。DataCoordinatorを使用することで,これらのデータ統合も容易に行えます。

データベース遠隔地バックアップ

たとえば本社の基幹データのうち,災害時などを想定し,特に重要と判断したデータ(表)だけをDataCoordinatorの差分配信機能を使用して遠隔地に転送する場合です。基幹システムと遠隔地保管先が同一環境である必要はありません。たとえば,遠隔地保管先のシステムをOSSで構築することもできます。

データベース移行

システム更改により異なるデータベースへ変更する場合,業務アプリケーションを変更する前に,データ移行用アプリケーションを何本も作成しなければならないこともあります。このような場合にもDataCoordinatorは有効です。一括配信で一度にデータを移行させることもできますし,差分配信でデータ連携を実施しながら徐々に業務アプリケーションを移行することもできます。

おわりに

Webアプリケーションによる新規業務を構築するうえで,基幹データベースから必要なデータを情報公開用データベースに複製することは意外に面倒かと思います。その作業を軽減することができるデータ連携基盤製品として,DataCoordinatorをこれからも進化させていきたいと思います。

問い合わせ先

NEC⁠株⁠ 第一コンピュータソフトウェア事業部
TEL:042-333-1643/E-Mail:webmaster@ace.comp.nec.co.jp
DataCoordinator紹介サイト
http://www.ace.comp.nec.co.jp/dc/

著者プロフィール

濱田光保(はまだみつやす)

日本電気株式会社。


白馬智博(はくばともひろ)

日本電気株式会社。