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Excelで表を作ることはできるけど,関数はさっぱり。という方は結構いらっしゃると思います。しかし,関数を知らないようでは,不況真っ直中のビジネスシーンで生き残ることはできません。そこでここでは,Excel関数の基本中の基本をわかりやすく解説しましょう。
Excel関数も人も社会の関数
「関数」を辞書で調べると「2つの変数xとyのうち,xが定まればそれに対応してyの値が定まるとき,yをxの関数という」とあります。つまり,中学校で学んだ
のような式のことです。それが転じて,片方の値が決まればもう片方も求まるような2つの値の「相関関係」「対応規則」を,関数と呼ぶようになりました。
Excelの関数も基本は同じです。何かの値をもらって,それに対応する決まった値を返します。たとえば,SUMというExcel関数は,数字をもらって,もらった数字を合計したものを正確に返します。そのとき,同じ数字を何度与えても,帰ってくる結果は同じです。与えられた仕事を常に完璧にこなす。その堅実な仕事っぷりこそが,関数の最大の利点であり,存在意義なのです。
同じことは,現代のビジネスパーソンにも言えます。毎朝同じ時間に出社し,冷静かつ効率的に仕事をこなし,定時内に完璧に仕事を終える規則正しい行動が最も評価されるという点で,関数と人とは本質的に同義であると言えます。
与えられた「仕事」から「成果」を生み出すこと。それが関数の、そして社会人の役割である
人と関数は使いよう
しかし,完璧に見える関数にも弱点があります。決まった仕事しかできないため,そのルールを超えた仕事をもらっても柔軟に対応できないのです。前述したSUM関数の場合,数字の代わりに文字を与えても,何も返してくれません。いくら「巧言令色」や「叱咤激励」を与えても,力なくエラーを吐き出すばかりです。
そして人もまた,関数と同じです。
たとえば,今年入ったばかりの新人OLのAさんに,超複雑なPowerPoint書類作成の仕事を与えてみましょう・・・あ,突如椅子を蹴って立ち上がり,泣きながら駆け出しました。どうやら課長に直訴に向かったようです。ああっ,パワハラを訴えられ,残念ながらあなたの人生は終了しました・・・
その反対に,社歴だけ馬鹿に長い古株先輩のBさんに超簡単な書類整理の仕事を与えても,凍てつくような怒りの波動しか帰ってみましょう・・・明日以降の報復がとても心配です。
このように,人に分不相応な仕事を与えても,まともな成果が期待できないどころか,とんでもない人生のエラーに見舞われる可能性すらあります。人も関数も適材適所。うまく使いこなせてこそ,一流の社会人と言えるのです。
目指せ! 最重要関数
先に,関数は1つの仕事しかできない,と書きました。それでもExcelの関数には,その持てる能力の違いにより,非常によく使われる関数と,ほとんど使われることのない関数との間に強烈な格差が生じています。数字を合計するSUM関数や条件分岐するIF関数,平均値を求めるAVERAGE関数などはエース級で,どんなシートにも引っ張りだこですが,複素数関連の関数や行列関数などはほとんど日の目を見ることはありません。
SUM関数やAVERAGE関数には専用のボタンが与えられている。会社でいえば取締役待遇だ
人もまた,すべてにおいて万能になることは不可能です。しかし,たった1つ,どんな場面でも役に立つ秀でた能力を持つことができれば,その者こそ,ビジネスシーンで真に求められる人材と言えるのです。まだ,今からでも遅くはありません。まずはExcelの重要関数を「50個」マスターし,オフィスの「SUM関数」となるべく,頑張ってください!