Ubuntu Weekly Recipe

第463回 新学生・新社会人向けのUbuntuデスクトップ講座2017

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何にインストールすべきか

次にUbuntuをインストールするマシンを考えます。Ubuntu公式サイトのダウンロードページには推奨環境として次の内容が記述されています。

  • 2GHzのデュアルコアプロセッサー
  • 2GBのシステムメモリ
  • 25GBのディスクスペース
  • インストールメディアを起動するためのDVDドライブもしくはUSBポート
  • 可能であればインターネットアクセス環境

これを満たせない場合は,Ubuntuをインストールできないかインストールできたとしても動作に問題が発生する可能性があります。ちなみにハードウェアとして鬼門になるのが次の2つです。

  • グラフィックプロセッサー
  • 無線LANデバイス

グラフィックプロセッサーは,Intel HD GraphicsのようなIntel CPUに内蔵されたタイプであれば特に問題なく動く可能性は高いです。NVIDIAやAMDのような,独立したグラフィックボードだったりチップとして組み込まれているタイプの場合,表示はされるものの描画が遅かったり,最悪の場合はUbuntuが起動しないこともあります。インストール後にハードウェアドライバーを追加でインストールすれば改善される場合もありますので第123回や,NVIDIAであれば第454回を参考にしてください。

ノートPCの場合,無線LANデバイスが載っていることでしょう。これもIntelのデバイスであれば問題なく動くのですが,他のベンダーのチップの場合は何か対応が必要なケースも存在します。ネットワークにつながらないと調べ物もままならないので,不安であればUSB接続タイプのNICを用意しておきましょう。

すでにインストール済みのWindows環境と共存したい場合は,いくつかの方法があります。

  • VirtualBoxやVMWare,Hyper-Vなど,Windows上の仮想環境にUbuntuをインストールする方法
  • Ubuntuのインストーラーからディスクのパーティションを分割してデュアルブートする方法
  • Bash on Ubuntu on Windowsを使う方法

Windowsをメインに使い,たまにUbuntuを使えれば良いのであれば仮想環境を使う方法がもっとも簡単です。過去にはデュアルブートの方法もよく使われていました。しかしながら現在はシステムディスクがSSDとなったために複数のOSを動かすには手狭になったこと,Windowsのシステム領域のサイズが大きくなったことやバックアップ・高速ブートとの兼ね合い,UEFI対応にともない特殊なパーティション構成が一般的になってきたことなどから,よほどの理由がない限りデュアルブートはおすすめしません。

仮想マシンでUbuntuを使う方法やその注意点は第313回第352回にまとまっています。デュアルブートについては古い記事ではありますが,第97回第415回の後半などが参考になるでしょう。ただいずれの方法を取るにせよ,はじめて使うのであれば専用のPCを1台用意してそこにLinuxをインストールするほうが簡単ですし,何かトラブルがあったときに対応しやすくなります。

最後の「Bash on Ubuntu on Windows」は,Windowsの実験的機能として提供されているUbuntuの環境を導入する手段です。ひとつの案としてここではあげていますが,初心者にはまったくすすめられない代物です。勇気のある方はチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

どうやってインストールすべきか

Ubuntuのテストやインストールは,ISOイメージをダウンロードして,それをDVDやUSBスティックなどのメディアに書き出して,そのメディアを使って起動し動作確認,最後にインストールという手順になります。

  1. ISOイメージをダウンロードする方法や,ディスクそのものを入手する方法は,第140回第141回にまとまっています。
  2. ISOイメージをメディアに書き込む方法はJapanese TeamのWikiや公式サイトを参照してください光学メディアの場合USBスティックの場合や日本語の情報⁠。
  3. メディアから起動した段階は「Live環境」と呼ばれる試験環境になります。この時点でサウンドやネットワークのハードウェアが動作するかどうかを確認しておきましょう。
  4. インストールの手順についてもJapanese TeamのWikiを参照してください。

特定の機種でどの程度動作するかは実際に試さないとわからないところがあります。例えば本連載においても何度か「インストールしてみた」という記事を掲載していますので,どういう視点で確認しているのか参考にしてください。

  • 第457回「Celeron J3455で省エネPC生活」⁠他にも省エネシリーズがあります)
  • 第432回「HP EliteBook Folio G1のUbuntu ロードテスト」
  • 第388回「Intel Compute StickでUbuntuを使う」
  • 第323回「ECS LIVAでUbuntuを使う」
  • 第298回「新型MacBook ProでUbuntu 13.10を使う」
  • 第264回「NUCでUbuntu超小型PC生活」
  • 第252回「コンバーチブルPCでUbuntuを使う」

インストール後に何をすべきか

うまくインストールできたら,まず行うことは「アップデート」です。Ubuntuのアップデートではセキュリティアップデートと,リリース後の不具合修正の二種類が存在します。これらは常に適用されていることが望ましく,アップデートが必要になったら「アップデートマネージャ」が自動で立ち上がり,利用者に通知を行います。通知に気づいたら,なるべく早く適用するよう心がけてください。インストール直後はこれまでリリース以降に公開されたアップデートをすべて適用する必要がありますので時間がかかるかもしれません。なお,アップデート後に再起動が必要な場合はアップデート完了後に通知されます。

このアップデートは,個々のリリースで設定されたアップデートの期間であればずっと提供されます。サポート期間を終了したものはEOL(End Of Life)と呼ばれるアナウンスがなされ,以降アップデートは行われなくなります(以下の表を参照)⁠。2012年4月にリリースされたUbuntu 12.04 LTSは間もなくEOLを迎えるため,ユーザは14.04以降にアップグレードすることが強く推奨されます。第83回第173回では自動でアップデートを適用する方法や,特殊なアップデートについて説明しています※4)⁠

※4
ちなみに最近のリリースでは,インストール直後の設定だと,セキュリティアップデートについては自動的に適用されるようになっています。

表1 Ubuntuのサポート期間

リリース名 コードネーム リリース日 サポート期間
Ubuntu 12.04 LTS Precise Pangolin 2012年4月26日 2017年4月
Ubuntu 14.04 LTS Trusty Tahr 2014年4月17日 2019年4月
Ubuntu 16.04 LTS Xenial Xerus 2016年4月21日 2021年4月
Ubuntu 16.10 Yakkety Yak 2016年10月13日 2017年7月
Ubuntu 17.04 Zesty Zapus 2017年4月13日(予定) 2018年1月

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。